【そのまま使える例文付】動画制作の稟議を通す!上司を説得する「費用対効果」と「活用目的」の書き方

「動画を作りたいのですが…」

そう切り出した瞬間、上司にこう返された経験はありませんか?

「で、いくら儲かるの? 回収できるの?」

無形商材(サービス、システム、コンサルティング等)を扱う企業にとって、数十万円〜の制作費は決して安くない投資です。

「流行っているから」「かっこいいから」「なんとなく売り上げが上がりそうだから」という理由では、稟議は通りません。

稟議を通すために必要なのは、クリエイティブな熱意ではなく、「動画を『消耗品』ではなく『資産』として定義するロジック」です。

本記事では、中小企業の実情に合わせた「現実的な費用対効果の算出方法」と、そのままコピペして使える「稟議書の例文」をご紹介します。

1. 稟議を通すオススメは「一石三鳥」の活用計画

動画制作の稟議が難航する理由の一つは、「用途を限定しすぎていること」にあります。

例えば、「Webサイトに載せる動画」として50万円を申請すると、上司は「Webのためだけに50万?高くない?」と思ってしまいます。

しかし、「1本の動画を3つの場所で活用する」と提案すれば、コストパフォーマンスの見え方は変わります。

例えば

  1. 営業現場:タブレットで見せて、説明時間を短縮する(業務効率化)
  2. Webサイト:トップページに置き、離脱を防ぐ(集客効果)
  3. 展示会:ブースで流し、無人でも興味喚起する(人件費・機会ロスの抑制)

この「使い回し」を前提にすることで、投資対効果は一気に現実味を帯びてきます。

※注意:今回の活用例は、サービスの仕組みを伝える「理解促進動画(約1〜3分)」です。CMや広告のような「認知拡大動画(15〜30秒)」とは構成や適切な活用シーンが異なるため、目的を混同しないようご注意ください。

2. 「現実的な数字」で作る費用対効果

「動画で売上が2倍になります!」といった根拠のない数字は、かえって不信感を買います。

中小企業の現場で本当に響くのは、「工数(時間)の削減」と「見えない損失の回避」です。

以下の条件で、現実的なシミュレーションを行ってみましょう。

【モデルケース:BtoBサービス企業】

  • 営業担当:5名
  • 月間商談数:1人あたり10件(チーム計50件)
  • 課題:サービスが複雑で、毎回同じ説明を口頭で行っている。
  • サービス単価(LTV):50万円
  • 動画制作予算:50万円(制作費は依頼する所や内容で変動します)

① 営業活用による「年間100時間」の工数削減(年間30万円の「人件費削減」効果)

トップセールスのトークを元に「2分間のサービス紹介動画」を作ったとします。

これにより、商談冒頭の「会社概要・サービス説明」にかかる時間を1回あたり10分短縮できたと仮定すると…

  • 10分短縮 × 月50件(チーム全体) = 月間500分(約8.3時間)
  • 8.3時間 × 12ヶ月 = 年間 約100時間

「動画を作ることで、チーム全体で年間100時間の余白が生まれます。
つまり「年間100時間」は、営業マン約0.6ヶ月分の稼働時間に相当します。

ここから金額を算出します。 営業担当者の人件費(給与+社会保険+交通費+PC等設備費)を「時給3,000円」と仮定した場合:

  • 100時間 × 3,000円 = 年間30万円のコスト削減

つまり、動画を作って営業に見せるだけで、初年度で制作費(50万円)の6割は「業務効率化」という形で確実に回収できる計算になります。

② Web・展示会での「機会損失」の防止と「1件」の成約で黒字化するロジック

数字にしにくい「信頼感」や「分かりやすさ」は、「お客様の選別(足止め)効果」として説明します。

  • Web:
    テキストだけではサービス内容がうまく伝わらず、問い合わせに至らなかった層(離脱層)を拾い上げる。
  • 展示会:
    通路に向けたモニター動画が、「興味のない人」と「興味がある人」を自動で振り分けてくれます。
    動画を見て立ち止まった「脈ありの人」だけにスタッフが声をかければ良いため、手当たり次第に声をかけて断られる無駄な時間を減らせます。

展示会での売上貢献についてですが、ここでは「足止め率(ブースの前で立ち止まる確率)」の改善に着目します。

仮に以下の前提で考えてみます。

  • 展示会来場者(ブース前通行数):3日間で3,000人
  • 従来の足止め率:5%(150名と名刺交換)
  • 動画導入後の足止め率:6%(180名と名刺交換)

動画のアイキャッチ効果で、足止め率がわずか「1%」改善しただけで、名刺獲得数は「30枚」増えます。

この追加された30枚のリードから、仮に成約率3%で受注が決まった場合:

  • 30枚 × 3% = 約1件の新規受注
  • 1件 × 50万円(単価) = 50万円の売上

つまり、「動画のおかげで、展示会での名刺交換がいつもより少し増え、そこからたった1件でも契約が決まれば、制作費の元はすべて取れる」というロジックが成立します。

これなら、「1件くらいなら確実に取れるだろう」と上司も判断しやすくなります。

3. 【コピペOK】そのまま使える稟議書・例文

上記ロジックをまとめた稟議書の構成案です。

ぜひ参考に活用してみてください。
(数字は仮で入れていますので適宜修正してお使いください)


件名: 営業効率化およびリード獲得数向上に向けた「サービス紹介動画」制作の提案

【背景・現状の課題】
現在、当社の主力サービス(無形商材)において、以下の課題が発生しており、解決策として動画ツールの導入を提案いたします。

  1. 営業リソースの圧迫と属人化:
    初回商談における「会社・サービス概要」の説明に多くの時間を割いています。また、説明スキルに個人差があり、特に新人社員が戦力化するまでの教育コスト(同行・OJT)が負担となっています。
  2. Web・展示会での機会損失:
    目に見えないサービスであるため、テキスト情報だけでは顧客に具体的な利用イメージやメリットが伝わりづらく、検討初期段階での離脱(機会損失)を招いています。

【施策内容・活用目的】
サービス概要を約2分にまとめた紹介動画を制作し、以下の3点で横断的に活用します。

  1. 営業(商談・追客):
    商談冒頭で動画を視聴いただき、基礎情報の理解を統一・促進します。営業担当は定型的な説明から解放され、本来注力すべき「顧客課題のヒアリング」や「提案」に集中します。
  2. Webサイト(トップ・LP):
    ファーストビュー等に掲載し、訪問者の滞在時間延長とサービス理解度向上を図ります。
  3. 展示会・イベント:
    ブース内モニターで放映し、来場者の注目を集め(足を止めさせ)、初期説明を自動化します。

【費用対効果(投資回収計画)】
本施策は単発の広告費ではなく、数年にわたり利用可能な「営業資産」として運用します。

  • 営業・教育コストの削減(生産性向上): 定型説明の動画化により、1商談あたり約10分の短縮を見込みます。営業部全体(月50商談想定)で年間約100時間の工数を創出します。 これを人件費(時給換算3,000円)で試算すると、年間約30万円相当のコスト削減効果となります。
  • 展示会での投資回収(損益分岐): 動画によるアイキャッチ効果でブースへの立ち寄りを促進し、有効リード獲得数の底上げを図ります。 獲得リード増による新規成約が「年間1件」発生した時点で、制作費(想定50万円)の全額回収が可能な見込みです。

4. まとめ:動画は「コスト」ではなく「投資」である

稟議を通すための最大のポイントは、上司に「これなら元が取れる」と確信させることです。

そのために必要なのが、今回ご紹介した「複数パターンの活用計画」と「現実的な数字」の積み上げです。

  • 使い回すことで、1回あたりのコストを下げる
  • 「いくらのコスト削減」や「どれくらいの成約でリターンが得られるか」

どんなまずは「何のために、どれくらいのリターンを生むのか(Why)」というビジネスの土台を固めることが大事です。

このロジックさえしっかりしていれば、上司からの承認はすぐに得られるでしょう。

あとは広告代理店や制作会社、フリーランスなどと相談して、その目的に最適な表現手法を選ぶだけです。

ぜひ、このテンプレートを活用して、自信を持って稟議を提出してください。

もし次に実写やアニメーションなどの表現手法で迷ったら下記の記事をご参照ください。

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もしこの記事を読んでいただき、「MOVING MOTIONさんに依頼したい!」と思っていただけましたら、ぜひお気軽にお問合せください。

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この記事を書いた人

森田 浩司のアバター 森田 浩司 ビジネスモーションデザイナー

千葉県在住のビジネスモーションデザイナー。信州大学大学院理工学系研究科 修了後、研究開発職を経験。その後アニメーション映像制作をスタートし、セールスライティングを活用してわかりやすく伝わるアニメーション映像制作を中心に事業を行う。オンラインセミナーへの登壇やアニメーション映像制作のコンサルティングなど後進育成にも力を入れている。

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